『古代史逍遥』dropout

古代史についてのホームページを運営しています。このブログでは、HPに載せられない事柄や、ちょっとした感想などを自由気ままに書いています。もしかするとその中に、真実が隠されているかもしれません(^J^)

奈良県 唐古鍵遺跡2

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「唐古鍵考古学ミュージアム」でお会いしたのは、

女性のボランティアガイドの方でした。

来館した時ちょうど居合わせ、せっかくなのでお願いしました。

とても感じの良い方でしたが、それだけではなく、

本当に歴史や遺跡が好きでやっているという感じに好感を持ちました。

私が、はるばる千葉県から来たというので、

大変歓迎もしていただきました。

やはり、説明を受けながら見て回ると、個々の物の印象が強くなり、

頭に入りやすいものです。

この遺跡では、例の復元されている楼閣をはじめ、

いわゆる絵画土器という絵の描かれた土器の出土が、全国でも一番多い事。

後世に池になっていた水中から出た遺跡なので,

木製品ので保存状態が極めて良いことも、珍しいことだそうです。

そしてこの時代(弥生時代)には、

奈良盆地からは鉄器が一つも出ていないということ等々。

これらのことは、説明書きに書かれていたり、

購入した小冊子に記載されていたりするものもありますが、

一人で見て回っただけでは、なんとなくサラッと見てしまい、

すぐ忘れてしまったかもしれません。

弥生時代の大和地方に鉄器が無いということは、

今読んでいる古墳や鉄の流通に関する本と繋がって、

改めて貴重な情報だったと思っています。

そして、絵画土器が多いということで頭に浮かんだのは、

印旛沼周辺で多く出土する墨書土器でした。

これらは主に平安時代の物なので時代は下りますが、

なんらかの関連はない無いのだろうか?

古代印波国造は多氏族であり、多氏の近畿での本拠地は、

唐古鍵遺跡にもほど近い田原本町の「多」という所です。

当然この北総の地も、近畿地方の影響を受けているので、

田原本辺りから大勢の人が来たかもしれない。

墨書土器自体は各地で出ていますが、

北総で最も特徴的なのは、

絵画と共に文章の書かれた「長文墨書土器」というものです。

「土器に何か書く」という体質

共通点がある気がします。

実は、これ以外でも奈良のこの地域と

印旛沼周辺で共通点を見出したので、ますますそう思えてしまいます。

そのことに関しては別記事で…。

 

その他、ガイドの方の説明によって、強く印象に残ったのは、

二つの甕を用いた井戸の施設

粘土と天然の鉄の作用で自然にできた物を利用した「勾玉入れ」

これは「褐鉄鉱容器」と言って、

粘土の周りに自然に鉄が付着したもので、

これを割って中の粘土を取り出すと、

中が空洞になって、容器として使えます。

外観は錆びた鉄塊のようで綺麗ではありません。

しかし、王はこれに宝物の勾玉を入れていた。

当時貴重な鉄によって自然に出来る褐鉄鉱に

特別な意味を見出していたのではないかと思います。

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         ミュージアムの小冊子より

 

これらも、説明付きで展示されていましたが、

ガイドさんも説明を聞いたことで、

より強く印象付けられました。

 

このように唐古鍵考古学ミュージアムでは、

絶妙なタイミングで良いガイドさんに巡り合いました。

というのは、元々この日この時間に

ここを訪れる予定ではなかったのです。

三日間の奈良滞在のうち、

初日に遺跡とミュージアムの両方に行くつもりでした。

しかし、まず多神社に行き、

例の如く写真を撮りながら長居してしまい、

おまけにどの目的地も、最寄駅から近くなく、

この日はミュージアムに行けなくなってしまいました。

三日目は大神神社に行こうと思っていたので、

ミュージアムにはその前に行ったのでした。

 

このような偶然が重なり、

お会いできたガイドさんは、更に重要なことを教えてくれました。

これから大神神社へ行くというと、

社務所へ声をかけると、三ツ鳥居を拝観させてもらえますよ。」

そうなんです。

三つ鳥居は大神神社独特の鳥居ですが、

私はてっきり、参拝すればどこからか見られるのだろう

と思っていたのでした。

しかし、鳥居は神社の方に案内してもらって

拝殿の奥へ行かなければ見えない物なのでした。

 ※後で大神神社の境内案内を見ると

 三つ鳥居の拝観は、事前申し込みを…と

 小さく書いてあった。

     本当は参拝前に申し込まなければ

 いけなかったのかな?

 そう言えば、私が唐突に申し出たときは

 たまたま手すきの神職さんがいたので、

     すぐに案内して

 もらえたような感じでした。

 やはり、通常は

     あらかじめ申し込んでおくのが

 良いようです。

  しかし神社では、

 唐突の申し出にも親切に対応していただきました。感謝です。

 

少々強引でしたが、

ミュージアムのガイドさんに

教えていただかなければ、

三つ鳥居を拝見しないで帰ってしまったところだったので、

このガイドさんもまた、「神の遣い」に違いないと

密かに勝手に「神の遣い」に認定させて

いただきました (^J^)

 

さて、近鉄田原本駅からミュージアムへの道すがら、

そしてミュージアムの広い窓から

終始見えていた三輪山

この後、この神山が

自分にとってこんなにも存在感を増してくるとは!

この年奈良には何回も来ることとなり、

一度は三輪山周辺だけで三日間。

念願の登拝もして来ました。

出来れば、毎年登拝したい。

 

☆唐古鍵遺跡は、現在周辺の整備が計画されていて

ミュージアムも遺跡の近くに移転するかもしれません。

来年平成30年に完成予定とのこと。見学には、とても

便利になりますね。

 

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こちらも参考にしてください。

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