産土神探し② 立野神社(茨城県水戸市谷津町)
前回、産土神探しのスタートラインとなった神社は、水戸市谷津町の立野神社だと書きました。
なぜスタートラインが水戸なのか…
説明しましょう!( ´ω` )/
まず、立野神社の参拝の機会は唐突に訪れました。
その日も、年に2回は参拝している水戸市飯富の大井神社に行こうとしていたのです。
そして常の如く、周辺の神社や遺跡等を幾つか訪ねるという予定であります。
そこで、久しぶりに白水社の「日本の神々 神社と聖地 11 関東」を紐解いてみました。
大井神社の項を改めて読んでいると、
近隣の立野神社に言及している所がありました。
以前も読んだはずですが、
短い部分ゆえ、
すっかり忘れていたのです。
そして「今回はここへ行ってみよう!」とすぐに思いました。
さて、立野神社とはどのような神社なのでしょうか?
御祭神は級長津彦命と級長津姫命。
風神です。
級長津姫とは級長戸辺命の事だと
考えて良いのでしょう。
これら風の神々の本宮は、奈良県三郷町に鎮座する龍田大社です。
龍田大社では、両神は天御柱神、国御柱大神として祀られています。
社伝によれば、崇神天皇の御代、世間に猛威を奮っている疫病などを納めるために、「龍田の立野の小野」に風の神を祀れとの夢を見たので、その地に風神を祀ったとの事。
「立野」の語句から、立野神社は奈良の龍田大社からの勧請に違いありません。
そして、周辺の事情からしても
間違いないと思います。
何故なら、
立野神社のすぐ近くに三野輪町や三野輪池という池があり、
このような地名のある所は
奈良の三輪山周辺からの移住があった所なのです。
例えば千葉県と埼玉県に江戸川を挟んで、
三輪野山や三輪野江という地名があります。
ここには
奈良からの移住であるという
はっきりした伝承があり、
三輪の大物主神を祀る茂呂神社等があります。
「茂呂」は三輪山の別名「三諸山」の「モロ」です。
さて水戸に話を戻すと、
立野神社の近隣には
三輪系神話の伝承される朝房山があります。
また、近隣の水戸市飯富町の
大井神社の御祭神は
那賀国造の祖の建借馬命。
すなわち、国造を中心に
日本の中心である大和の様相を
そのままこの地に写した様子が
想像出来ます。
このようにな歴史的背景を持ち、
式内社の論社にもなっている立野神社ですが、今では大変ひっそりと鎮座していました。
いくつかの画像で紹介します。
参道
本殿屋根
脇の参道から境内を見る
年紀の入った石宮の点在する境内、御神木
さて、驚くべきは
この立野神社を参拝して帰宅したその夜。
そのタイミングで、
「産土神調べの距離の基準」についての
記述を目にし、
改めて地図を調べて急に目に入ったのが
西東京市住吉町の尉殿神社。
珍しい神社名なので
御祭神の見当がつかず、
すぐに調べてみたところ、
なんとそれは級長戸辺命!!
立野神社と同じ風の神ではありませんか!
(尉殿神社は、同じ西東京市にある田無神社の元宮で、級長津彦命の方は途中で田無神社の方に遷座したという経緯があるらしく、現在の尉殿神社の風神としての御祭神は級長戸辺命だけです。しかし、田無神社では級長津彦命と級長戸辺命の二柱の神を金龍としてお祀りしています。これらの御祭神の変遷事情は複雑な歴史的背景がありますので、後日田無神社の紹介の時に述べる事とします (^-^)V )
この田無神社と関係があるという事も
産土神の候補に上がる要因になりました。
武蔵野市から千葉県に引っ越して
何年も経ってから
犬を飼ったのですが、
その犬は田無から来たのです。
何故田無のお宅から貰い受ける事になったのでしょうか?
数年前まで、私たち一家は
近隣の武蔵野市に住んでいた事も
関係あるかと思いますが、
その時、私はまだほんの子供だったし、
聞くべき母親は
もう亡くなっているので、
知る術がありません (´・-・`)
父親はきっと理由なんか覚えていない (^.^)/~~~
急に思い立って参拝した立野神社。
参拝後その日のうちに目に入った
同じ風の神を祀る尉殿神社。
産土神探しのまず最初に行くべき所は
ここだと直感したのでありました!!
☆立野神社の所在地☆
❀産土神探しの手順(私の場合)❀
①生まれた時に親が住んでいた所から半径4キロの範囲にある神社を調べる。
② ①のうち少なくとも江戸時代にはあった
神社を調べる。
③ 該当しそうな所はとにかく参拝してみる。
①、②は産土神鑑定士の方の著書の記述を
参考にしています。
③は特に重要です。現地で感じたことは
正しいのです。例えば、何故かすごく惹かれる物があるとか、参拝時に印象に残る出来事があったとか。逆に理由は分からないが何となくピンと来ないとか。(ただし、2回3回と参拝するうちに手応えを感じるようになる事もあるそうです。その辺は難しいですね)
①、②に該当する所は沢山あると思いますが、どういう順番で参拝するかは、直感で決めて下さい。また、そうしているうちにたまたまそのうちのどれかの近くに行く用事が出来るかもしれません。それはもしかすると偶然ではないかもしれません。ご縁ありです。
私の場合は前後の行動から自ずと最初に参拝する場所が決まり、行ってみたら手応え大いにありで、すぐにわかってしまいました。
地図上で、幾つも候補があったので、これから一つずつ参拝して、わかるには時間がかかるのだろうなと思っていたにも関わらず…。
案外、皆そんなものかもしれません 。
現在住んでいる所が遠くて、気軽に何回も行けない方も、「色々調べているうちに何かが繋がり、行動を開始したらすぐにわかってしまった」ということになるかもです ( ´ω` )/
古代史に関するホームページを作成中です。
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