『古代史逍遥』dropout

古代史についてのホームページを運営しています。このブログでは、HPに載せられない事柄や、ちょっとした感想などを自由気ままに書いています。もしかするとその中に、真実が隠されているかもしれません(^J^)

等彌神社参拝記②(奈良県桜井市鎮座)

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上津尾社。

主祭神の大日孁貴を祀る。

大日孁貴は天照大神の別名なので、

神社のホームページや

パンフレットでは

ほとんど同等に扱っているようですが、

「大日孁貴」と言うのと、

天照大神」と言うのでは、

意味合いが違って来ます。

「大日孁貴」には

日神に仕える巫女神の意味があり、

本来は巫女神だった女神が、

自ら日神として昇格したのが

天照大神だとされています。

それには勿論仕掛け人がいます!

それは、持統天皇

ということは、

それ以前は別の日神が存在し、

大日孁貴はその日神を奉斎した巫女神でした。

巫女が仕えているのですから、

その頃の日神は女神ではなく男神です。

そして大日孁貴が巫女神だった事の片鱗は

記紀にほの見えています。

アマテラスの織殿に

スサノオが侵入し、

皮を剥いだ馬を投げ込んだ逸話。

その時、

アマテラスの主導の元に

織殿で織られていたのは、

神に捧げる神御衣だったのです。

自らが神であるアマテラスが

更に如何なる神の神御衣を織るのか…。

そういう少しおかしい事になってしまいます。

しかし、この場面のアマテラスが

巫女神だったとすれば辻褄が合うのです。

 

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少し話が逸れました。

とにかく現在の当社の由緒では、

主祭神が大日孁貴でも天照大神でも良いような書き方になっていますが、

過去の多くの資料では、

主祭神は大日孁貴になっています。

それは前述のような大日孁貴の性格を

考えると、

至極妥当と思われます。

近年では、

わかりやすいように

知名度の高い天照大神の名前を

用いているのでしょう。

しかし、それは真実を覆い隠す事にも繋がりかねないので、

自分としては少し意義ありなのですが  ( •́ㅿ•̀ )

 

さて、等彌神社の主祭神について

全く別の事が書いてある資料があります。

それは『新撰姓氏録』。

たしかこんな内容だったかと…

神道大系』に載っているものをコピーしたのがあったのですが、

行方不明になってしまったので

曖昧な記憶を手繰り寄せますと

鳥見山周辺が饒速日命の遺称地であることから、「この神社の御祭神は饒速日命であると今決めた」とかなんとか…

なんと!

「今決めた」とは!

ちょっと笑ってしまうのですが、

これはあながち突拍子も無い意見ではないのです。

それだけこの鳥見山周辺は

饒速日命及び

関連氏族の物部氏の気配が濃厚な土地なのです。

しかも、先述した

天照大神以前の日神とは如何なる神かと考えた時、

それはおそらく三輪山の神。

(三輪山の神が古来は太陽神であることは、これまでの記事で何回か言及しています)

そして、その日神である三輪山の神と饒速日命を同一視する考え方があります。

なので、『新撰姓氏録』で言っていることは、一理あるのですが、

天照大神ではなく、

巫女神の大日孁貴が祭神であるなら、

無理やり等彌神社の御祭神として

饒速日命」を持って来なくても良いのではないか?

すなわち、

三輪山の日神を奉斎する巫女としての

大日孁貴が鳥見山にお祀りされている。」

それは至極妥当な事です。

まぁ ここでは

三輪山の日神が饒速日命であるか否かは

ちょっと置いておくことにしますが…('∀`)

その可能性は濃厚ですが、

そう単純に断言してしまっていいのか?

 という思いもあります。

かつてこの地を治めた饒速日命を御山に祀るというのは

あり得ることですが、

おそらくそれ以前に、

もっと素朴な

三輪山から昇る朝日を拝する信仰が

あったのだと思います。

 

三輪山は、鳥見山の北側に

間近に臨む事が出来ます。

上津尾社のある所からは、

樹木に遮られて見えないのですが、

もしかしたら

山頂からは見えるのかもしれません。

今回は残念ながら山頂までは行けなかったので分かりません ( •́ㅿ•̀ )

ただ、一の鳥居の前の道路からは、

三輪山が良く見えました。

近隣の桜井茶臼山古墳の所でも思いましたが、

この鳥見(とみ)の地もまた、

どこにいても「三輪山を意識せざるを得ない

土地」なのでした。

 

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 等彌神社前の道路から。三輪山

 ☆写りが悪くてすみません <(_ _)>

 

 

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